id:Hashの同僚で〜す

ま、タイトルのまんまですが、Hashが内定先を公開したので、ちょっと書いてみます。
【就活終了宣言】id:Hashは金融工学ベンチャー「センティリオン」に入社します - ミームの死骸を待ちながら
会社のことについてはHashのブログを見て頂くとして、ここでは一人の、ベンチャー企業への就職をみじんも考えていなかった人間が、ベンチャー企業に内定をもらうまでのストーリーを淡々と書いてみます。

きっかけ

昨年10月も半ばの話。
100年に一度の不景気だ、今年の就職戦線はかなり厳しい、なんて気持ちが暗くなるようなニュースで世の中があふれ返り、10月スタートのシューカツセミナーのようなモノに大学生が会場何時間も前から大行列を作っている様子をニュースなんかで見ながら、そろそろ何か行動しないとなー、と考えていた俺。
リクナビでも登録するかー、とアカウントをとって最初に見つけたのが冬期インターンシップを募集していた某コンサル+SIの大企業だった。
お、これしかねーと、エントリーシートを提出、面接一度を経て、無事合格し、12月の頭に2週間のインターンを行う事となった。
後に気づくのだが、このインターン、なんと倍率的にはその会社に入社するよりも厳しいと言う。
なんという、無知の力。直前に知っていたら緊張して面接でろくに話せなかったに違いない。

Hashとの再会

インターンはあまり楽しくなかった。
しっかり課題が与えられたり、先輩社員の手厚い待遇、歓迎会などなど、恐らくとてつもない厚遇だったのだろうが、とにかく楽しくなかった。
会社に、仕事にワクワク感を求めていた、などと言うと社会で働いている多くの皆さんからは反発を買うのかもしれないけど,インターンに参加した会社の社員から、仕事を楽しんでいる、という様子は伺えなかった。
この時点で、既に自分の中では、「大企業ないわー」と思い始めていた。


そして、twitterで横浜にいる、ということをぼそっとつぶやくと、Hashから会いませんか?的なオファーが来た!
実を言うと、Hashとは全くの初対面という訳でなく、昨年3月のハチロク卒検発表とかいうよく分からないイベントによく分からないまま参加者、しかも話す方での参加が決定されていて、得意のノリの軽さで大阪からホイホイと東京、それも東大まで出向いて行ったときにモスバーガーで昼食をともにした仲なのだった。
Hashはブログでは非常に変態的ではあるけど、現実では、ブログ内での太文字のように突然大きな声を出したりはしない、実に物静かな男である。
これは初対面の印象で、付き合いが長くなってくると、変態的な一面が出てくるのだが、それはまた別の話。


何やら脱線したが、とにかく、インターン期間中の金曜日にHashと横浜で再会、二人で酒を飲みながら語らう会等を催した。
この時に、大企業ないわー、とは思っていたが、「金融」「IT」というキーワードが自分の中で大きくなってきており、Hashも同じキーワードでの就活を行っていたようで、すっかり意気投合。
カツマー話やdankogai話でも盛り上がり、二人はヒートアップ、「お前はオレか」と言い合って解散した。
この時の会で、大企業ないわーと思っていたオレはシューカツエリートであるところのHashにベンチャーの情報を聞こうと、面白いベンチャー知らない?と聞いてみた。
そこで返ってきた答えが「Centillion」
「センティ…??」一度では聞き取れない、異質な名前。
今にして思えばここが運命の分岐点であったのだ。

Centillionとの邂逅

その時はへー、というレベルだったが、宿に帰り、センティリオンでググってみたところ、例のあの妙なサイトにたどり着いた。
第一印象は、うはwwなんかしゃべってるwwって感じで、採用情報のページへ。
なんと、その次の月曜日にセミナーがあるではないか。
この時すでに金曜日、少人数性のセミナーらしく、席が残っているか不安だったが、無事エントリーする事ができた。
なんとHashも参加するとのこと。


セミナー当日、インターンなのに課題が終わりきらずやや残業となり、セミナー行けないんじゃ疑惑が浮上したが、何とか終わらせ、急いで大手町へ。
スーツ姿のHashと合流し、会場へ。
セミナー自体はありふれたもの(会社説明、グループワーク、質疑応答)だったけど、強烈に引きつけられたキーワードがあった。
「健全な金融マーケットの成長に寄与する」
「日本初、世界基準のサービスを提供する」
設立2年強の会社がなんて大それた事を言うんだ!と強烈な印象に残った。
と、同時に、経営陣が大企業を経験してきているためなのか、ガツガツしているだけでなく、いい意味での日本企業的な感じを受けた。
今にして思えば、社長、副社長が作る自身に満ちた雰囲気に引きつけられていたんだろうなと思っている。
セミナー後のアンケートで、会社説明会に来ますか?との欄があったので、楽勝でYes。
帰りにHashと、「センティリオンいいよねー」とテンション上がりまくっていた。


年末帰省前に大阪の我が家によって泊まって行けよ、日本酒飲もうぜ、と固い約束を交わしHashと別れる。
その後、12月30日〜31日にかけて、日本酒でぐでんぐでんになりながら、よくわからないUstをしたりした。

説明会→社長と昼食→Hashと飲み会

ここら辺りで気持ちが一気に固まる。
会社の説明会ということで、1月上旬に上京し、社員の方といろいろお話する。
2時間くらいお話して、社長と昼食。
1on1に緊張しながらも、せっかくなので、無知であるのをいいことにいろいろ聞いた。
会社のビジョン、社会人としてのあり方、金融業界についてetc...気がつくと3時間ほど話していた。
まぁ、この時点で自分の気持ちはほぼ固まった感じだった。


その後、Hashと合流、日本酒片手に情報交換。
Hashも色んなベンチャーを回っているらしく、やはりシューカツエリートは違うなぁ、などと感心していた。
この時点でオレがきちんとエントリーしている会社は2社だった。
Hashに「オレ、センティリオンが第一志望だわ」と言うとHashもそうだったらしい。
なんと!
「同僚になったら面白いことになるなww」と言いつつ別れる。


1月の中旬に面接ということで、課題を出された。
まー、ぶっちゃけて言うと段ボールについて役員相手にプレゼンテーションをしてきた。
まずまずの評価を頂いて、面接も行い、帰阪。
1月30日にセンティリオン株式会社新卒第一期生第一号として内定を頂いた。
パチパチ。
その後、Hashが他の企業の最終面接に受からず、センティリオンよりも気に入る企業が出ないように念入りに呪いをかけ続け、2月の後半に無事Hashも内定という流れになった。

なぜセンティリオンなのか

これも色々聞かれるんだけど、自分の中ではけっこう考えた末の決断である。

なぜ、ベンチャー企業を選択したのか?
一番は、大企業は自分に向いてない、と思ったから。
某企業は企業のランク、給与、福利厚生、業務内容、社内研修の制度などなどあらゆる点で申し分のない「非常にいい会社」であると思ったけど、「働きたい会社」ではなかった。
某企業で他の企業をはかるのは非常に安易かもしれないけど、少なくともいい会社であると感じているのに、働きたいとならないのは、根本的に自分がそこに向いてないからだと思った。
よくも悪くも影響されやすい自分は、この環境に入るとそこに馴染むんだろーな、と思い、それは嫌だと思った。


そして、なぜベンチャーの中でセンティリオンなのか?
これはいくつか理由があって、

  1. スタートアップの企業である
  2. グローバルな事業展開を目指している
  3. 金融関係の企業である
  4. IT関係の企業である


せっかくベンチャー企業に入るなら、中途半端に成長してしまっているよりも、より若い方がいい。
やや打算的な考え方かもしれないけど、自分で起業するまでのリスクは負いたくないけど、会社が作られて行く過程を体験したいと思っていた。
そういう点で、設立2年強、しかも新卒では一期生という立場が非常に魅力的に移った。


何か世の中を動かすような仕事をしたいなぁ、と漠然と考えていたので、金融というキーワードは一つ魅力的なものにうつった。
サブプライムローンやらリーマンショックで世界的不況に陥り、すなわちこれまでの金融システムがボロボロになってしまったので、全く新しい仕組みを広げるチャンスなんじゃないかと思っている。
センティリオンは「健全なマーケットの成長に寄与する」とうたっているので、今の時期に、まさに自分がしたいことにつながることをしている企業だった。
そこに長年親しんだITというキーワードが合わさっている。


これだ!という直感のままに選んだ訳です。
チャンスの神様は…ということわざにしたがったわけです。


会社がつぶれるかも、という不安がないわけではないですが、逆にこう考えました。
3年つぶれないでいてくれたら、それまでに新卒3年目以上のスキルをつけておければ次の働き口に困らないだろう。
ベンチャーなら、現場主義で絶対鍛えられるはず。
まぁ、まさに現在、まだ学生中ですが、iPhoneなでの飴を与えられつつ、某企業へ自分たちが考えた企画をプレゼンしにいったりと、学業と両立させるにはなかなかヘビーな研修を行っています。
ま、面白いんですけどね、何より。
僕らが入るにあたって、会社の方でも制度を整えるべくいろいろ制度の整備をしてくれていて、そこに自分たちの意見がある程度反映されているというのもいい感じです。

終わりに

そんなこんなで、Hashと同僚になり、センティリオン株式会社で働く事になりました。
全ての大企業を見てきた訳ではないので、安易にベンチャーを選んだのかもしれません。
が、自分なりにベストな判断を行ったと思っています。(もちろん、入社して働きだすとまた意見が変わるのかもしれませんが…)
とにかく、今は自分が選んだ選択を失敗にしないためにも、精一杯頭と心を使って入社までの一年弱を過ごして行きたいと考えています。


ほとんど、神懸かり的に素晴らしい偶然が重なり合って、現在の状況に至り、自分では非常に恵まれていると感じています。
人生、どこでどう変わるモノかはわかりませんねぇ。

おまけ

Hashがαブロガーであることの証明として、Hashの内定先公開によって、ある企業からセンティリオンに問い合わせがあったとかなかったとか。
というわけで、Hashの例のエントリの僕のブクコメは本当の話です。