DMPについて調べたまとめ(概要編)
個人的にDMPがあってダラダラと調べていて、そろそろまとめておかないと色々と忘れていきそうな危機感を感じたのでまとめます。
3行で語るDMPのお仕事
- データを収集することで、パブリッシャーの収入源となる
- データを解析することで、広告主の投資の最適化・投資効果の最適化に寄与する
- DMPで扱うデータは基本的にCookieデータである
adtechにおける立ち位置
- 配信を担うアドサーバーやDSPではカバーしきれないオーディエンスデータの整理や、オーディエンスデータの活用など
DMPに必要な要素とか機能とか
- アドサーバーとの連携。アドサーバー利用者から見ると、外部の機能と言うよりは内部の機能に感じるくらい密接にインテグされている方が望ましい
- データの収集。1pixelのロードを行なって、DMPにCookieデータを集めてくる。DMP単独でカバーはできない部分もあるため、外部からデータ(Cookieなど何らかのかたちでユーザーを一意に特定できる情報をkeyにした情報)を購入する。
- データの解析。集めた膨大なCookieデータを分類し、活用しやすい形でクライアント(データ提供元のパブリッシャーや配信業者、広告主)に提供する。
データ解析という意味での仕事
- ブラウジングの行動履歴ベースでの解析を行なってデータセグメントを作る
- 各セグメント毎に最適なクリエイティブ調査や、その他情報との重ね合わせによりimpressionやclickに対する理解を推し進めるような解析を行う
- コンバージョンデータが取得可能であれば、そのコンバージョンに至る経路も含めてデータの解析を行う
データ収集という意味での仕事
- タグを貼って、ピクセルデータのロードを行うことでリアルタムにデータを収集する
- cookieIDのsyncだけ先に行なっておいて、ファイルベースで後からデータは結合する方法もある
- データの結合自体は基本的にCookieベースで行う。一部ハッシュ化されたemailなどを使う場合もあるが、結合できるシーンがそもそも少ない。DMPがどうやってデータを収集しているかはこの辺でまとめられている。
データ収集の仕組みはまた機会があればこちらにまとめるかもしれません。
データ活用という意味での仕事
- DMP自体は様々なパブリッシャーやアドサーバーと連携しているが、一方でデータ活用自体にはDMP側でパーミッションをコントロールすることもできる
- 例えばAというパブリッシャーはBというアドサーバーにはデータを提供したくないとか。極論すると、AというパブリッシャーはDMPにデータ解析までしかお願いしたくない場合、どこにもデータを公開しないという道もありそう
まとめ
DMPには、cookie情報の収集・cookie情報の結合・cookie情報の解析・解析情報の提供まで幅広く役割があるみたいですね。本来は配信とは独立しているもののようですが、日本ではいわゆるDMP的なことを単独で事業にしている例はなさそうです。xrostなどのDMP+配信事業(DSP/SSP等)を行なっている例はありそうです(中身を知っているわけではないので例として適切なのかはわかりませんが...)。 今後日本の市場として、配信とは切り離されたところでのDMPが出てくるかどうかですが、プライバシーやセキュリティに対するルール/感覚が米国とは異なるため、必ずしも同じ形に進化していくわけではないと思われます。米国でも、今のCookie偏重のデータ収集/活用の流れはよろしくないという動きが出てきているようなので、DMP自体がどうなっていくのかも楽しみです。やはり、データ分析/活用に興味のある人間としては、DMPの動向はアドテクの中で一番興味をひかれる分野ですね。