DXに関する与太話
ここ2年ほどは、あまり社外の人と交流せず(正確には社内でもプロジェクトで積極的に関わる人以外とはそんなに交流せず)、ひたすらお客さん向けの仕事にフォーカスしてきた。その間に世間のトレンドも大きく変化したような気もするし、特に自分の価値観がかなり変化したような気がする。何気に社会人人生の大半は、いわゆる開発チーム側で、何かを作る側にいたため、いわゆるセールス組織というのにも所属して3年弱のペーペーである。「現場に答えがある」という、新卒で入社した会社の社長の、当時は色々あって完全に受け入れられなかった言葉の意味が身にしみる日々を過ごしてる。
最近はご時世もあいまって、DX(Developer eXperienceではなくDigital Transformationのほう)というキーワードに絡んだお仕事に関わることが多く、思う所が多くなったので一旦メモがてらぶちまけておく。自分が今頭の中にあることを一旦フラッシュしたいだけであり、何らかの示唆を求めてらっしゃる方はそっとブラウザの戻るボタンを押していただくとよいと思われる。
なお、一切の客観的な根拠を伴わない筆者の主観と空想を中心に勢いで雑多に書かれた雰囲気文章であり、所属する企業を代表する意見では一切ないことは念の為記載しておく。
筆者のバックグラウンドとここで書いてるビジネスの話は以下の通りである。
- プラットフォーマーのセールスエンジニア
- 過去の経歴からデータとかMLとかAIとかのキーワードの仕事をすることが多い
- ビジネスの中心が実店舗である業界(デジタルだけで完結しない、リアルな人の動きが必要となる業界)
デジタルネイティブなところは変わらずどんどんやってくださいという感じです。
DXしたいって言ってるけど何をしたいか分からない問題
意味の大きな言葉は使いやすいが危険である。捉える人によって言葉から想像することが様々になる。DXはその象徴的な言葉のように個人的には感じている。DXという言葉を、企業がデジタルシフトするための標語として掲げるのは、まあ反対はしない。が、よくよく話を聞くとそもそも偉い人達同士で違うイメージを抱いていることがありずっこけることがある。企業として目指すDXとはなにか?優先度は?くらいは決まっているといいのではないかと思う。話が噛み合わなくてよくよく話を聞くと大抵以下4つのカテゴリに落ちていく印象である。以下の4つを部分的あるいは組み合わせながらDXという世界観を抱いているケースが多いように思う。
その他にもあるのかもしれないが、自分が関わる範囲では上記4つあたりをよく見聞きする。
「業務のIT化推進」はまあ従来からやっていたのでただラベリングを変えただけでは・・・とは思いつつ、昨今クラウドというワードの浸透に加えて、複数のクラウドの使い分けであるマルチクラウドや、オンプレミスとの連携であるハイブリッドクラウドなる言葉が出てきてもう大混乱!である。加えてベンダーロックインを回避すべし、という風潮が重なることで意思決定の変数が多すぎる状態になっていそうである。インフラレイヤーであれ、アプリレイヤーであれ、ベンダーロックインを回避しようとすればするほど、社内に業務プロセスを熟知し、技術的な知見を持った内製組織を作っていく必要があると思っていて、人材問題や組織論とバッティングし、コスト的には高くつくし、スピーディーな動きはしにくそうだな、と思う。大局的な経営判断が必要になる部分であろう。
「働き方改革」は昨今の情勢と相まって、リモートワークの文脈で語られることが多い。これもツールを入れたから解決するわけではなく、結局、組織づくりやポリシー、リテラシーに落ちるので、あるツールを使ったら解決する話ではないようなぁと思う。最近はリモートワークの文脈でゼロトラストというキーワードでの検討が進んでいそうに思う。ID管理の話にセキュリティの機能的な話とガバナンス的な話が絡まりあった上に、上述したベンダーロックイン回避的な流れもあって、けっこう混乱の素になっているように思う。
「デジタルマーケティング」はマーケ系の会社が乗り遅れるな、このビッグウェーブに、ということで仕掛けている印象。デジタル上でのビジネス活動を行う上ではデジタルマーケティングが必須という切り口だと認識しているが、個人的には今のメインの守備範囲ではないので何か語れるほど知見があるわけではないが、昨今のSaaSブームによりシャドーIT的な部分が暗躍しやすいように思える。結局、基幹系のデータと連携しないと深いマーケティング活動に繋がりにくく、ITとビジネスの連携がないと、また別のサイロができてしまったぜ、になってしまいそうな気がする、というかなっている。
「新しいっぽい技術でバーン」は一時よりトーンダウンしてきた印象がある。良くも悪くもブームが落ち着いてきたのだろうか。ここに関しては、与太話は無限にできてしまうので、深入りする前にやめておく。
1-4についてやりたいかやりたくないかを聞くと、間違いなくやりたいしやるべきことという回答になるとは思うが、これをどのように進めるかは本当に難しいなと、外から支援する立場としては思う。どう整理して進めるべきか?という意見を求められることも時にはあるが、正直外部の人間には言い切れない部分は多々ある。もしかしたらコンサルと呼ばれる業種の方々はこの辺まで踏み込んでるのかもしれないが、DXを経営戦略として考えると一番のキモになる部分のため、可能な限り自社で考えないといけないのでは?と思っていたりする。本質的にはツールやサービスで解決することではないものが大半のため、自社での優先度や方向性なく相談をすると、ベンダーにカモられる構造がより深刻な気がする。まあ難しい。
プロジェクトの進め方とか勝ちパターンとか
2年前まではひたすら「機械学習やデータ系のプロジェクトは成果がでるかわからないので、可能な限り小さくプロジェクトをはじめましょう」と言っていた。技術的な観点で原理的にはたぶん今も間違っていないと思うが、ビジネス面も含めて見た時には必ずしも正解と言えないなぁと思うようになった。むしろ失敗?というか自然消滅することが多い印象がある。では、大風呂敷を広げてトップダウンですすめると良いかとういとそういう訳でもなさそう。難しい。
小さく始めると本当に一部署に閉じた形で小さく終わる。企業全体のDXみたいな大きな話につながって来ない。ボトムアップで一部署で起きたPoCからのムーブメントが会社を変えた、みたいなきれいなストーリーは残念ながら自分はまだ見たことがない。少なくともトップダウンだけで進めるといいのかと言うとそれも違うようだ。複数の部署(少なくともITチームとビジネスチーム)が連携する必要があり、店舗等を運営をしている場合は実際に人の動きも関わって初めて本番環境(という言い方が良いのか?この辺のうまい表現がわからない。)で実用化したと言えると思うので、道のりは長く険しいようだ。ということで、唐突だけどワークマンはすごいと思う。あとキユーピーさんもすごい(自分が前職の頃、プロジェクト初期の頃に少し関わったので手前味噌すぎるが)と思っている。さりとて、最初から一気に複数部署が「本気」で取り組むのも難しそう。本業の手を緩めることはできないので、どうしても主幹部署から参加しているプロジェクトメンバー以外の参画者は手弁当になってしまうことが多い用に思う。何だったら主幹部署のプロジェクトメンバーもフルコミットできていなことも多いような気がする。既存のビジネスがある中で人材のアサインは大変そうである。企業は内部で分断されている。
この手のプロジェクトに対する方法論は色々語られているようだが、ビジネス形態や組織のサイズ、文化や既存社員のスキルセットやマインドなど、各社本当に状況が千差万別で、今の所、普遍的な、いわゆる勝ちパターンはなさそうに思える。
自分の観測範囲では、プロジェクトの主要メンバーが一定以上のリテラシーを持っていることは少なくとも必要条件になりそうだ(当たり前か?)。一定とは何か?というのがまた定義が難しいのでここでは感覚値として、意思決定をする時に、複数の情報ソースを見比べた上で自社の状況を鑑みながら総合的に現時点で取りうるべき選択を下せるという感じだろうか。また、うまくいかない時のセカンドプランを想定しながら、ある程度リスクをとって進めていこうとするマインドも重要そうである。
もう一点重要そうな資質としては、ITチームとビジネスチームの双方と程よい距離感で連携できる人というのも挙げられる。結局、好奇心を持ってリスクを取りつつ、プロジェクトとしては落とし所を探りながら組織間の橋渡しをいい感じにデキる人がプロジェクトの中心にいることが重要そうだ。
というわけで、この手のプロジェクトは、人依存な要素が非常に強そうで、再現性や標準化を重んじる文化の中ではなかなかうまく行かなさそうな雰囲気がある。人依存ということで、必然的に選ぶツールやベンダーにはその人の好みが出る気がしていて、皮肉なことに客観性の象徴であるデータが肝となりそうなDXというキーワードには、主観によって進んで行くような気がしてならない今日このごろである。
ブラックボックスは嫌だ論
これもよく聞く話で、主張としては非常によく分かる。過去に痛い目も見てきたのだろう。が、大なり小なり使っているツールやサービスはブラックボックスが残るのは常かと思っている。そうでなければ全て自作になるため、無限にコストが掛かってしまうのでは、と思う。どの領域にはどの程度のブラックボックスが許容できるかの指針は持った方が良いかもしれない。特にSaaS系のツールを導入する時は、今後のアップデートが必ずしも自社にとって賛同しにくいケースも多いかもしれない。だが、一方で、恩恵も多く受けていることは忘れてはならないだろう。パッケージ慣れしている企業は、自社のワークフローに合うかの一点で減点評価してしまうが、加点すべき点は多くあるはずだと思う。
ここで書いた以外にも組織の話や、教育的な話などまだまだ言えそうなことはたくさんあるが、だんだん話がなまなましくなり過ぎそうでなのでここらで終える。AI/MLブームのときもそうだったが、DXに非連続的な何かを求めてはいるものの、既存のビジネスを抱えながら一足飛びに移行することは到底現実的ではなく、結局は連続的な変化をせざるを得ないため、現実的なステップ論でプランニングができるかが鍵だろうと思っている。既存のビジネスだけでなく、技術的な視点も持ち、世の中の変化も追いかけたちょっと未来に会社という大きな組織を動かしていかないといけないのは大変だろうと思う。
という感じで、DXというふわふわしたワードに対する所感を外から支援することが多い人間がふわふわとした感じでしたためてみた。生来の性で、これだけ関わっていると、外部からの支援だけではなく、中の人としてちょっと真面目に取り組んでみたいと思ったりする気持ちが芽生えてきたりこなかったりする。が、DXを推進する部がIT組織とビジネス組織の間で苦しんでいるのを見るとちょっと。。。という気持ちになる。中でやってる人はまた違う視点だろうけど。
TensorFlow Developer Summit 2018 でのアナウンスまとめ
プロジェクトの忙しい時期やら体調不良やら子供の保育園入園やらでマジで追いかけられていないけどこのまとめから辿っていけば良さそう。自分の勉強用にあとでまとめてみる / Highlights from TensorFlow Developer Summit, 2018 https://t.co/M6eNfflHZO
— norihiro shimoda (@rindai87) 2018年4月3日
ということで、こちらをもとにした完全に自分用のメモ集みたいな感じです。まあ言ってみればただのリンク集なので、元ブログと情報量に大差はありませんのでご注意を。
最初にやったほうがいいこと
$ pip install --upgrade tensorflow
とかやって、TensorFlowのバージョンを1.7まであげておきます。
Installing TensorFlow | TensorFlow
Eager Execution
Define-by-Run が実現されるやつですね
Running Estimator models on multiple GPUs on a single Machine
DistributionStrategy
という簡単に分散処理が実現されるAPI- 既存コード(Estimator前提っぽい?)に対して最小限の変更で分散化させられますよ、というものっぽい
- 最初は1台のマシン上の複数GPU前提、同期的なデータパラレルっぽいですね。ちゃんと読んでませんが
MirroredStrategy
というAPIのみ対応していて、estimatorのRunConfigにぶっこむだけで変更完了、簡単でしょ!という雰囲気を感じました
TensorFlow Hub
たぶん今回の目玉の1つ。いたるところで説明されているので割愛
Graphical debugger plug-in
TensorFlow debugger(tfdbg) のGUI的な位置付けで、かつTensorBoardのplug-inとなっているもの
TensorFlow Extended(TFX)のコンポーネント群
TensorFlow Model Analysis
モデルの評価とかしてくれるやつ。後で試す。
こっちの Getting Started を読んだ方がイメージが湧きやすい github.com
TensorFlow Transform
前処理君。地味だけどこれからTFが本格活用されてくると重要になりそう?
Estimators
これはだいぶ前からいらっしゃる
TensorFlow Serving
これはだいぶ前からいらっしゃる。ガッツリ使ったことないので後で試す。
GitHub - tensorflow/serving: A flexible, high-performance serving system for machine learning models
TensorFlow.js
TensorFlow Hub と並んでもう一つの目玉っぽかったやつ
TensorFlow for Swift
Swiftも対応ということで、これもけっこうインパクト大きそう?
TensorFlow Lite
今回で、Raspberry Piのサポートもアナウンスされたようです。
Introduction to TensorFlow Lite | TensorFlow
ハードウェア系
TensorFlow Probability API
Edwardのお話を聞いて高まったもののほとんどノータッチ。
GitHub - tensorflow/probability: Probabilistic reasoning and statistical analysis in TensorFlow
Community関連の話
TensorFlow blog
元記事になっているブログが今回新たに開設されたようです。
TenosrFlow YouTube
YouTube上にTensorFlowチャンネルができました。今回のTensorFlow Dev Summit 2018のセッション動画も見られます。
Mailing Lists
プロジェクトごとにMailing Listが整備されたようです。
まとめ
これは範囲が広すぎて追いかけるの無理ですね。見てきた人に話を聞くのが一番早そうです、が、以下のイベントはもう締め切ったあとかー間に合わない
前職時代に執筆した「TensorFlow活用ガイド」 が発売されました
![TensorFlow活用ガイド[機械学習アプリケーション開発入門] TensorFlow活用ガイド[機械学習アプリケーション開発入門]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61b--%2B1wYgL._SL160_.jpg)
TensorFlow活用ガイド[機械学習アプリケーション開発入門]
- 作者: 下田倫大,杉義宏,太田満久,久保隆宏,有山圭二
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/01/16
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
前職時に執筆に関わった書籍が無事出版の運びとなりました。TensorFlowについての書籍です。1/16発売ですので、もうポチっていただきます。TFUG(TensorFlow User Group)に参加している有志で執筆しようと企画が持ち上がりまして、自分は企画面+執筆者へのお声がけなどをさせていただきました。全員が仕事や趣味でガッツリとTensorFlowを使っている豪華執筆陣です。自分が一番TensorFlowそのものにはライトタッチな人間かもしれないな、と思うほど豪華な面々に参加いただきました。チラ裏ですが、最初はムック本想定で進んでいましたが、書籍化することになりました。
書籍の特徴:応用面を重視している
書籍の最大の特徴は、タイトルの通り応用を重視している点です。目次 を確認頂くと一目瞭然ですが、画像、自然言語処理、音声、と一通りの応用パターン + Androidアプリ連携までをカバーしています。
第1章 TensorFlowの概要(下田倫大)
第2章 TensorFlowの基礎(下田倫大)
第3章 画像処理(杉 義宏)
第4章 自然言語処理(太田満久)
第5章 音楽生成(久保隆宏)
第6章 Androidとの連携(有山圭二)
私の担当した1,2章はともかく、それぞれ重要なトピックかと思いますが、日本語の自然言語処理や、音声データ処理、アプリ連携の3つを日本語でカバーしている書籍は無いのではないかと思います。
この本でカバーしていないこと
全員エンジニアがバックグラウンドのメンバーのため、機械学習の理論的な部分を取り扱ったものではないです。あくまで、TensorFlowそのものに焦点を当てています。機械学習とは〜、といったことを期待して購入されないほうが良いです。手元にあるデータでどう遊んでやろうか、そういう考えをお持ちの方にとっての入り口としての書籍という位置づけです。
TensorFlowのバージョン問題
脱稿した段階ではTensorFlowはv1.2が出たくらいだったのですが、その後レビューなどの段階で時間が立つに連れ、最後はv1.4が出ており、いま現在はv1.5がもうすぐ出ようかというタイミングになってきました。対応可能なところは可能な限りバージョンを上げていますが、どうしてもバージョンが追随しきれていないところもあります。TensorFlow自体はv1.0以降、後方互換性を大きく壊すようなアップデートはそこまで入ってきていませんので、今回の書籍で最新のバージョンに追随しきれていない部分も、実際にTensorFlowを使っていく上では大きな問題にはならないと思っています。(が、そういう問題に遭遇した場合は教えてください)
という感じです
という感じですので、一つ何卒よろしくおねがいします!
参考
フグのロゴが可愛いTFUGはこちら となります。
MLのアルゴリズム以外を取り扱った勉強会を開催した話
年末までにこのエントリを投下したい、と思いつつ、あれよあれよと年があけてしまいましたが、去る2017年12月に表題の通り、機械学習のアルゴリズム「以外」を対象としたML Ops Study(仮)#1 という勉強会を開催してみました。
経緯など
ここ数年、機械学習やらディープラーニング、と言われる領域に親しいところに身を置いていて、自分の興味が機械学習や高度な分析の社会実装に興味があることが分かってきました。幸いにして、機械学習ブームによって、機械学習のアルゴリズム部分に関する勉強会や書籍はたくさん世の中に出てくるようになり、結果、多くの人が機械学習のアルゴリズムを勉強をするようになったように思います。一方で、問題を解決できそうなアルゴリズムがあったとしても、実際はそれを仕組みに落としていくところ、仕組みにした後に継続的に運用し続ける部分に関しての知見やノウハウはなかなかないのが現状です。これから機械学習がただのブームで終わらないためにも、社会実装を前提に置いた時に、機械学習のアルゴリズム部分以外の知見を共有し合うような場が必要だと考えました。
この手の話、経験上、ラベルがないと人が集まらないな、と思っています。そんな中、とある人とお話する中で出てきた「ML Ops」というのがワーディングとしてハマりそうだな、ということで、このワードを使った勉強会を行ってみようと思い立ちました。実際は自分もML Opsというのが何を指すのか明確な定義があるわけではないのですが、Dev Opsというワードが既に世の中に出回っているので、なんとなくその派生系として勉強会が取り扱う内容を類推してもらえそうだと考えたわけです。
ML Ops勉強会っていうマニアックかつ小規模な勉強会?コミュニティ?を作りたいと思っているけど興味ある人他にいるのかな。対象はMLのアルゴリズム部分以外全部です。
— norihiro shimoda (@rindai87) 2017年11月20日
割とこのtweetの反応が良かったため、たまたまランチを食べたメルカリの知り合いにもこのアイデアを話してみたところ、スピーカーをしてくれるということで、最低限の状況は整えられそうだったので、年内に実行してみることにしました。
発表など
スピーカーの皆様におかれましては、雑に声をかけてしまったにも関わらず、非常に面白く、かつ(私含む)参加者の方にとってためになる発表をありがとうございました。協力いただいたスピーカーの皆様なしには開催できませんでした。
メルカリさんの発表
www.slideshare.net
メルカリさんのSpinnakerをうまく使った事例でした。めっちゃモダンな感じで話を聞いていて高まる事例でした。
ABEJAさんの発表
(資料は公開されていません)
マルチGPU環境でどのように深層学習のパラメータをどう設定するとどのような結果が得られるか、というサービス上必要になる課題を、論文を参照しつつ実践的に検証されているのが印象的な発表でした。
スマートニュースさんの発表
大規模なサービスの裏側で動いている泥臭い部分も余すことなくお話いたただいたのが印象的な発表でした。
全体的に思った以上に濃い目の発表をしていただき、懇親会も含め非常に盛り上がったと思います。#mlops でそこそこtweetされていますので、気になった方は雰囲気はそちらで見てみてください。
とりあえず開催してわかったこと
ML Opsという名前で皆さんが期待している、課題に思っている内容は以下4つっぽい印象でした。
- そもそもシステムやサービスのどこにどのように機械学習を利用しているのかの話
- 機械学習のコードのテスト、モデルのデプロイ、モデルとデータの監視、自動化、などのいわゆるシステム運用の機械学習版っぽい話
- 機械学習のコード、あるいはシステム全体の高速化(GPUなどのハードウェア的な話や分散処理を含む)の話
- 機械学習システムの開発/運用体制の話
ということで、Dev Opsと呼ばれている話の機械学習版+活用パターンというのがニーズなのかな、とぼんやり考えています
2回目以降
自分も主催して面白く勉強になったのと、参加者の方からのフィードバックも比較的好評だったように思うので、2回目以降も機会があったら開催したいなと考えてます。スピーカーと会場提供してくれる方を絶賛募集しますので、気になった方は私に声をかけてみてください。お待ちしております〜
Machine Learning 15 minutesでお話してきました
TFUGにもよくご参加いただく門前さんにお呼ばれして言ってきました。
machine-learning15minutes.connpass.com
発表者の皆さんと運営の方でパシャリ。恒例っぽいです。TFUGでもやってもいいかもですね。
以下FBのポストより転記(Publicっぽいので使わせてもらいました) www.facebook.com
今回は少し趣向を変えて最近気になっている機械学習っぽい案件の推進役不在問題についてLTしてきました。ここの人が増えないと自分の仕事が減らないという強い問題意識を抱えております!逆に言うとライバルが少なめな思いっきりブルーオーシャンなゾーンでもありますね。
TFUGと違って規模が少し小さめなので、懇親会でもいろいろな方とお話できました。他のコミュニティに行くと色々と学びがあって良い体験をさせてもらいました。
Google Cloud Next in Tokyo関連であれやこれやした話
なんかめっちゃアクティブにGoogle Cloud Next in Tokyoに関わりました。いろいろありすぎたので備忘録がてら振り返ってみましょう。
6/13(Day0)
PartnerSummitまわりや、体験エリアでのデモの設営などでお祭り騒ぎでした。
PartnerSummit Japan'17内でのPartner Contestへの参加
ピッチさせていただいてWow部門でWinnerに選んでいただきました。Wow!
#GoogleNext17 前日の 13 日、Google Cloud Partner Summit Japan ‘17 を開催!Partner Contest Winner はこちら:https://t.co/EqDkOgd8Oz pic.twitter.com/m70zbFfWrg
— Google Cloud JP (@googlecloud_jp) 2017年6月13日
体験エリアでのデモ開発/設置/運営サポート
デモ1:Find Your Candy
Google Cloud Next(SF), Google I/O と好評をいただきましたFindYourCandyは東京でも展示されました!
Google I/O で注目の #TensorFlow ロボット「Find Your Candy」は、好きなお菓子を音声で伝えると、テーブルのお菓子から好みに一番近いものを渡してくれます。 #GoogleCloudNext でも展示:https://t.co/bks4ItZ4bc pic.twitter.com/7hGM5wXXWN
— Google Cloud JP (@googlecloud_jp) 2017年6月13日
直前にGoogle Cloud Platformブログの日本語版でも英語版でも露出させていただきました。レビュー+αしただけですが、共著者で並べていただけました。あざーす。
cloudplatform-jp.googleblog.com
デモ2:What’s Happening Now ?
キャンディに隠れて陰が薄かったかもしれませんが、もう1つデモを作っていたのです。 What’s Happening Now? はこいつだ!
What's Happening Now ? #googlenext17 会場の様子を GCP でリアルタイムに分析中!混雑状況や行動特性分析結果を可視化してお見せし、人気のブースをオススメします。体験エリアへお越しください。 pic.twitter.com/od6215Jqxh
— Google Cloud JP (@googlecloud_jp) 2017年6月15日
ソラコムの安川さんもtweetしてくていましたが、イベント会場の情報をリアルタイムで可視化するデモを GCPとSORACOM を使って開発しました。Pepperとも連携し、単に画面で見せるだけでなく、Pepperによる会場の状況に応じたご案内も実現しました。このデモは複数の企業で実現させたものですが、私は全体の取りまとめ役っぽい役割をさせていただきました。設営する寸前まで会場の状況が分からないこともあり、どうなることかと思っていましたが、何とかなって良かったです。ほんとに。
Google Next Tokyoの会場で行われてる来場者の動線可視化とブースの感情分析の裏では #soracom を使って #GCP に接続されたラズパイが使われてます! #googlenext17 pic.twitter.com/Haddplidmx
— Kenta Yasukawa (@thekentiest) 2017年6月15日
#soracom さんのSIMでデータ上がってたのか! #googlenext17 pic.twitter.com/ReNI0LtyOJ
— Manabu Uchida (@uchimanajet7) 2017年6月15日
で、こちらセッション中に出た構成図だと思うのですが(自分のセッションと重なっていたので出られず)、全体の構成を作り終えてみて、全てフルマネージドなサービスで出来ていることに気づきました。サーバレスってやつですね。グルーブノーツさんとのデータの受け渡しもBigQueryでの権限いただいたりとかそんな感じでできました。振り返るとけっこう面白い気がしてきたので、これはまたいずれ技術面にフォーカスして話をしなければ!です。
6/14(Day1)
セッションとコミュニティイベントでお祭り騒ぎでした。
セッション1
「速習:Google Cloud Platform上で実現する機械学習とビッグデータ解析」というセッションを行いました。
セッション直前の状況でパシャリ。大入り満員で感謝です。機械学習の基本っぽい話からのDatalabでのハンズオン、みたいな感じでした。
セッション2
「民主化が進む機械学習:すでに始まっている、Tensorflow を活用したビジネス活用事例のご紹介」というセッションの一部で登壇させていただきました。
Nextの直前にはキユーピーさんとの事例を出させていただいておりまして、そのご縁での登壇と相成りました。(たぶん)
キユーピーマヨネーズでお馴染みのキユーピー社の導入事例:ベルトコンベア上を高速に流れていく原料から不良品を発見するシステムに #TensorFlow を導入し大幅な効率化を実現! AI を使った分類のノウハウを解説。https://t.co/hf4phe09Fl #gcpja pic.twitter.com/jqf3JL7v4H
— Google Cloud JP (@googlecloud_jp) 2017年6月6日
セッション直前の状況でパシャリ。こちらも大きな部屋でしたが大入り満員で立ち見もでていました。機械学習の集客力すごい。
TFUG紹介 @ Google Cloud Community Fes
Nextと同じ会場で行われたコミュニティ合同イベントです。
こんな感じの雰囲気で順番が回ってきて
TFUGのターン!
Community introduction 3: TensorFlow user group "TFUG" - my fav logo! #gdgcloud pic.twitter.com/TAEeCaXDit
— Yu Okawa (@yujyasva) 2017年6月14日
TFUG トラックでの発表 @ Google Cloud Community Fes
その後、各部屋に分かれての個別のコミュニティトラックに移ります。TFUGトラックの運営 兼 司会 兼 発表者ということであれこれしました。詳細はすでにエントリとしてしたためていますので、ご興味があれば以下のリンクから。
6/15(Day2)
セッション3
いろいろあってDay2と同じ内容のセッションを再演しました。
またまたセッション直前にパシャリ。このセッションも大入り満員ということであざーす、でした。
おまけ
TFUGが基調講演でフィーチャーされた!
基調講演でサムラムジさんにTFUGを言及頂きました!あざーす!
.@sramji mentioned TFUG @googlecloud. TFUG rocks 🤘https://t.co/Ol3kgUSpmZ
— Yu Okawa (@yujyasva) 2017年6月15日
その流れでこれまた基調講演に登壇されていたマイルズさんから、TFUGのロゴのステッカーが欲しい!というアツいご意見が。すごい。
Hai hai hai! Fugu no sutekkā wa dokodesu ka?
— miles ward (@milesward) 2017年6月15日
日経新聞にもやったことが出た!
6/16の日経新聞の朝刊にはGoogle Cloud Nextの特集が記事広告として入っていて、その中で自分が関わったものが入っていました!すごい。
以下のものが記事内に出ていました。紙面で自分がやったことを見る日が来るなんて。 - キユーピーさんの事例 - FIndYourCandy(説明つき) - What’s Happening Now ? (写真のみ)
とりあえず盛りだくさんでした。これで一段落です。たぶん。
Google Cloud Community FesでTFUGトラックを開催しました
Google Cloud NEXTの会場で、Google Cloud系のコミュニティ合同でイベントやりましょう、というもので、TFUGも呼んでいただきトラックを1つ割り当てていただきました。
こんな感じでわいわいした中でTFUGを紹介させてもらいました。ワイワイして良い雰囲気でした。
LT大会も盛況だったし、その後のパネルディスカッション形式のセッションも個人的には非常に楽しかったです。なんだかんだと良いイベントにできたのではないかな、と思っております。
私も最近露出を多くしていただいているCandyのデモがNext Tokyoでも展示されているので、皆さんに興味を持っていただこうと、デモの中で使ってる技術の1つであるCandyのデモの話をさせていただきました。
最近、習慣にしている話す内容を一度文章化しておくためにqiitaにもあげています。説明っぽいものが欲しい方は合わせてどうぞ。
転移学習は、案件という観点では落とし所になることが多いかと思っていて、これから使われていくんじゃないかなぁと思っています。