MLのアルゴリズム以外を取り扱った勉強会を開催した話
年末までにこのエントリを投下したい、と思いつつ、あれよあれよと年があけてしまいましたが、去る2017年12月に表題の通り、機械学習のアルゴリズム「以外」を対象としたML Ops Study(仮)#1 という勉強会を開催してみました。
経緯など
ここ数年、機械学習やらディープラーニング、と言われる領域に親しいところに身を置いていて、自分の興味が機械学習や高度な分析の社会実装に興味があることが分かってきました。幸いにして、機械学習ブームによって、機械学習のアルゴリズム部分に関する勉強会や書籍はたくさん世の中に出てくるようになり、結果、多くの人が機械学習のアルゴリズムを勉強をするようになったように思います。一方で、問題を解決できそうなアルゴリズムがあったとしても、実際はそれを仕組みに落としていくところ、仕組みにした後に継続的に運用し続ける部分に関しての知見やノウハウはなかなかないのが現状です。これから機械学習がただのブームで終わらないためにも、社会実装を前提に置いた時に、機械学習のアルゴリズム部分以外の知見を共有し合うような場が必要だと考えました。
この手の話、経験上、ラベルがないと人が集まらないな、と思っています。そんな中、とある人とお話する中で出てきた「ML Ops」というのがワーディングとしてハマりそうだな、ということで、このワードを使った勉強会を行ってみようと思い立ちました。実際は自分もML Opsというのが何を指すのか明確な定義があるわけではないのですが、Dev Opsというワードが既に世の中に出回っているので、なんとなくその派生系として勉強会が取り扱う内容を類推してもらえそうだと考えたわけです。
ML Ops勉強会っていうマニアックかつ小規模な勉強会?コミュニティ?を作りたいと思っているけど興味ある人他にいるのかな。対象はMLのアルゴリズム部分以外全部です。
— norihiro shimoda (@rindai87) 2017年11月20日
割とこのtweetの反応が良かったため、たまたまランチを食べたメルカリの知り合いにもこのアイデアを話してみたところ、スピーカーをしてくれるということで、最低限の状況は整えられそうだったので、年内に実行してみることにしました。
発表など
スピーカーの皆様におかれましては、雑に声をかけてしまったにも関わらず、非常に面白く、かつ(私含む)参加者の方にとってためになる発表をありがとうございました。協力いただいたスピーカーの皆様なしには開催できませんでした。
メルカリさんの発表
www.slideshare.net
メルカリさんのSpinnakerをうまく使った事例でした。めっちゃモダンな感じで話を聞いていて高まる事例でした。
ABEJAさんの発表
(資料は公開されていません)
マルチGPU環境でどのように深層学習のパラメータをどう設定するとどのような結果が得られるか、というサービス上必要になる課題を、論文を参照しつつ実践的に検証されているのが印象的な発表でした。
スマートニュースさんの発表
大規模なサービスの裏側で動いている泥臭い部分も余すことなくお話いたただいたのが印象的な発表でした。
全体的に思った以上に濃い目の発表をしていただき、懇親会も含め非常に盛り上がったと思います。#mlops でそこそこtweetされていますので、気になった方は雰囲気はそちらで見てみてください。
とりあえず開催してわかったこと
ML Opsという名前で皆さんが期待している、課題に思っている内容は以下4つっぽい印象でした。
- そもそもシステムやサービスのどこにどのように機械学習を利用しているのかの話
- 機械学習のコードのテスト、モデルのデプロイ、モデルとデータの監視、自動化、などのいわゆるシステム運用の機械学習版っぽい話
- 機械学習のコード、あるいはシステム全体の高速化(GPUなどのハードウェア的な話や分散処理を含む)の話
- 機械学習システムの開発/運用体制の話
ということで、Dev Opsと呼ばれている話の機械学習版+活用パターンというのがニーズなのかな、とぼんやり考えています
2回目以降
自分も主催して面白く勉強になったのと、参加者の方からのフィードバックも比較的好評だったように思うので、2回目以降も機会があったら開催したいなと考えてます。スピーカーと会場提供してくれる方を絶賛募集しますので、気になった方は私に声をかけてみてください。お待ちしております〜